4月に本格販売する手延のり麺=明石市本町1
兵庫県東播手延素(そう)麺(めん)協同組合(明石市本町一)は四月、明石ノリの微粉末を練り込んだそうめん「手延のり麺・播州路」を全国のスーパーや百貨店で発売する。三年前から神戸市北区淡河町の工場のみで限定販売していたが、口コミで人気が広がり、販売を本格化する。関係者は「味には自信がある」と意気込んでいる。(大月美佳)
同組合加盟業者のそうめんは、姫路市の「揖保乃(いぼの)糸」や奈良の「三輪素麺」と比べて知名度が低い。このため、地元名産のノリを使った商品開発でアピールしようと約五年前に開発を始めた。
しかし、原料の小麦粉にノリの微粉末を入れると生地が伸びないため、めんにできず、職人が数年間研究を重ねて問題を解決した。さらに、製造直後は鮮やかな抹茶色のめんが一、二カ月すると変色して灰色になることが判明。変色しても品質に問題はないが、日の当たらない帯の下や、束の中心部のめんに緑の部分がまだらに残ることもある。同組合企画部の久田正子さん(60)は「変色を抑制する添加物を入れたくなかった」という。
このため、限定販売にし、消費者に変色について直接説明できる神戸市北区の加工場近くの「道の駅淡河」、ノリの微粉末を提供している明石市大久保町江井島のノリ加工販売会社「鍵庄」だけで取り扱ってきた。
ところが、口コミで評判が広がって売り上げが増えたため、今年のそうめんができあがり次第、本格的に売り出すことを決めた。
赤穂の塩を使い、一束にすしノリ一枚分が練り込まれている。湯がくとノリの香りが漂い、つるっとしたのどごしが特徴。
現在製法特許を出願中。同組合に加入し、生産を担当している「北神食糧」の久田泰之代表は「明石の味を全国に発信したい」と話している。